Column コラム

第30回「カシューナッツから持続可能エネルギー・水素の製造」

いつもこのコーナーではナッツに関することを自由に書かせて頂いております。
本当にありがとうございます。

今回はナッツの栄養でも、機能性でもなく、新エネルギー・水素との関わりです。
水素はこの宇宙の約7割を占める物質で、最も軽い気体でもあります。
近年では、この水素は、空気の21%に含まれる酸素と結びついてエネルギー出して、水に帰っていくことから究極の自然エネルギーと言われています。
小学生の頃に、粉末亜鉛に塩酸を加えて水素を作り出し、それに火を点けて酸素と爆発的に結合して水になる実験を行われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本では2014年に世界に先駆けて、この水素を使った燃料電池自動車を市販しました(トヨタのミライ)。
この他にも身近には家庭用燃料電池「エネファーム」などに水素が使われています。

 さて、この水素を地球に優しいバイオを使って製造しようという試みがたくさん行われています。
その中で、カシューナッツを収穫した後のバガス(殻、小枝、葉などの残渣)が特に注目されています(J Biotechnol. 2018 Sep 8. pii: S0168-1656(18)30631-X)。
バガスは加熱・加圧処理され、更に、アルカリ性薬剤に漬け込むことで、植物を固くしているリグニンを分解します。
この段階で、カシューナッツのバガスはトウモロコシなどの他の一般的なバガスに比べて、3.01倍収得することが出来るのです。

更には、この分解物を酵素によってさらに分解することで水素を作り出しますが、カシューナッツバガス1トンからは1時間に12.57リットルの水素が製造できました(トヨタのミライなら約60kg走行可能)。

これは水素のバイオ原料としてはトップクラスです。
エネルギー分野でもナッツが活躍です。 

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